小倉記念の当たる競馬予想｜過去5年のデータより

ベルーフは要注意の存在

【小倉記念（日曜＝９日、小倉芝２０００メートル）得ダネ情報】確たる軸馬不在の難解なＧIII小倉記念（９日＝小倉芝２０００メートル）で栗東得ダネ班が目を付けたのは唯一の３歳馬ベルーフ。データで実証されるハイレベル世代の中でも、実力はトップクラスの裏付けを提示。もちろん、当レースでの活躍が目立つ厩舎サイドも勝算アリで送り込む。

　クラス再編成で３歳馬が古馬と競うようになって２開催強が経過。馬券作戦上、重要なテーマとなる世代間闘争における３歳馬の“食い込み度合い”を調査した。

　近３年のクラス再編成からクイーンＳ施行週までを比較。レース数の違いは多少あるが、２０１３年は２８１鞍中、３歳馬が古馬混合戦で５８勝、１４年は２９４鞍中７４勝に対して、今年は２８０鞍で８８勝に到達している。現３歳世代の層の厚さは近年で一番と言っていいだけに、現時点では未勝利の混合重賞もそろそろ…。小倉記念に出走する３歳馬ベルーフはハイレベル世代の“上位ランカー”に見立てられる要注意の存在だ。

　新馬勝ち後に臨んだ百日草特別ではルージュバック（きさらぎ賞＝１着、オークス＝２着）の２着に敗れたが、出世レースとされるエリカ賞勝ちで勢いをつけ、京成杯で初重賞制覇。スプリングＳでもキタサンブラック、リアルスティールといった後の皐月賞上位馬相手に小差４着と善戦した。

　今回の評価を微妙なものにしているのは皐月賞の１２着惨敗で一気にイメージを悪くしたためだが、「１コーナーで他馬と接触して落鉄していたし、道中も終始外を回らされた」（兼武助手）うえに、大目標の日本ダービーを「皐月賞の後にトモに疲れが出た」ことで見送った経緯から、ピークを過ぎていたことは容易に想像できる。

　ハイレベル世代の中でも上位にランクできる裏付けは十分。となれば、あとは状態面だけ。放牧を挟んでの仕切り直しとなるが、帰厩後は新たにタッグを組むパートンを背に好調教を連発。明らかに皐月賞時とは雰囲気からして違う。

「休ませてからは馬場入りでゴネることも少なくなってきたし、直線が平坦の小倉もイメージとしては合いそう。パートン自身もいいレースをするようになってきたからね（小倉開幕週は４勝と大活躍）。人馬ともいい感じなので、古馬相手でもやってくれそうな感触はあるよ」（兼武助手）

　池江厩舎は小倉記念に過去５頭を送り込み、２勝、２着１回の仕事師ぶり。唯一３歳で参戦させたのがラブリーデイ（１３年２着）だった。古馬相手に通用するか、しないかの見極めで、べルーフは池江調教師のお眼鏡にかなったと言えようか。“３歳世代代表”が古馬を一刀両断するシーンを期待せずにはいられない。